第2回サイエンスカフェinひとはく

1023日、第2回サイエンスカフェを開催しました。 場所が県立人と自然の博物館ということもあり、子どもから大人まで非常に 多くの方がお見えになりました。 今回の講師は、画家で成安造形大学特任准教授の小田隆先生。 図鑑の復元画、博物館の壁画などの制作に携わり、大学では人体の描写をメインに 教えられています。 「恐竜復元画を描く方法」をテーマに、制作過程などについて語っていただきました。 恐竜の復元画は、まず基本となる骨格から描いていきます。ここで重要なのは、 全体のイメージから描かずに骨11個の関係から組み立てること。 そうすれば関節の稼動範囲などが推定でき、よりリアルな恐竜の姿を表現できます。 次に、研究者の監修のもと、修正を加えます。この際、画家が気づいた点を伝えることもあるそうです。 こうした研究者とのやり取りを通して骨格図を仕上げていきます。 次は、この骨格に筋肉と皮膚をつけます。これは、化石だけでは分からない骨や間接の 動きに対する筋肉の働きを理解する必要があるので、とても難しい作業です。 ここで参考にするのが、恐竜と近縁にあたる現生動物の体の構造。また、小田先生が大学で 教えている美術解剖学の知識がとても役立つと話されました。 復元画を描くには、今生きている動物に対する興味や知識を持つことが大切なのだそうです。 復元画の次は、博物館に展示されている壁画ができるまでの様子を教えていただきました。 始めに、ノートくらいの紙に何枚もスケッチしながら構図を考えます。 構図を決めたら、さっそく本番……とは行きません。たとえプロでも、いきなり大きな絵を描くのは難しいのだそうです。 そこで、まず小さなキャンバスに原画を描き、その比率のまま展示用のキャンバスに 拡大模写するという手法を用います。 こうして出来上がったものは、愛知県豊橋市の豊橋自然史博物館に展示されています。 興味のある方は、ぜひ行ってみてください。 このような制作のプロセスや必要な知識といった他では聞けない話はとても新鮮で、 参加者の方々も真剣に耳を傾けておられました。 また、最後に設けた質問コーナーでは、次から次へと質問が飛び出し、終了時間が オーバーするほど盛り上がりました。