「たんば恐竜・哺乳類化石等を活かしたまちづくり推進協議会(恐竜まち協)」では、化石の発見地周辺を散策したり、発見地を結ぶルートを歩いて、地域に親しんでもらおうと、ウォーキングマップの作成を進めています。
主要な発見地である山南町上滝と丹波並木道中央公園を結ぶルートには、県道篠山山南線や味間を経由するルートがあります。しかし、いずれも車道であるために、田園や山の風景を楽しみながらのんびり歩ける別ルートはないか?と検討した結果、かつて大山上(篠山市)と上滝(丹波市山南町)とを結ぶ峠越えのルートがあることが分かりました。
写真:山南町側の登り口にある蛭子神社(上滝)
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このルートは、大山上から国鉄福知山線下滝駅へ30~40分で到達できる便利な道として、古くから利用されてきたようです。5月末に大山上から登ったときには、途中でブッシュの中に道を失い、道なき急斜面を登坂・下降し、なんとか上滝にたどり着きました。
写真:上滝側から少し登ったところ
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約3週間たったこの日、上滝側から登ってルートを見つけよう!と、3人でスタートしました。林道が終わる地点から、まず右の沢沿いに登りましたが、途中で道を失い・・、それではと左の沢を詰めましたが、こちらも同様に進めなくなりました。
写真:林道の終点
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諦めて村まで帰ったとき、地元のYさんが「案内しましょう」と言って、先導して下さいました。やはり右の沢沿いに進みますが、途中から斜面をジグザグに登っていきます。杉の葉に覆われていたために、私たちはこの地点(下の写真)を発見できなかったのですね。
写真:斜面へ曲がる地点を示す水色のテープ
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あとは、峠までうねうねと登っていきます。この時期、マムシに出会うこともあるので、気をつけながら・・・
写真:杉の葉や枝に覆われた道
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出発から25分程度で到着する峠の手前に、お地蔵さん・・・。文政十三年と読めます。峠を往来する人々の安全を見守ってきたのでしょう。
写真:峠付近のお地蔵さん
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峠からは、うねうねと下っていきます。前回道を失った地点では、イバラ類に悩まされましたが、なんとか大山の登り口付近にたどり着きました。しばらく行くと、「天内坂(あまちざか)」と書かれた登り口に至るはずです。
写真:大山の登り口付近の標識
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そして、上滝を出発してから約40分で大山の村に着くはずです。
写真:大山上の家並み
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そのあと、もう一度大山から上滝へ引き返しました。
「数十年ぶりに大山まで歩けて、よかった」
そうおっしゃるYさんのおかげで、探していた幻の道をやっと見つけ出すことができました。このルートをマップ上にどのように表現するかは未定です。可能であれば、地域の方々や大学などとの協働によって、道の障害物(倒木、枝・葉など)の除去や主要地点への標識の整備などを行い、再びハイキングなどに利用できる道へ再生できないだろうか・・・そんなことも考えています。
写真:上滝の登り口に帰ってきた