丹波竜の化石などが発見されている篠山層群から発見された哺乳類化石は、真獣類の新属新種だったそうです。
詳細は、28日から開かれる日本古生物学会で発表が予定されていますが(
プログラム<PDF>はこちら、A会場29日午前)、産経新聞に報道されています。
国内最古級の哺乳類は新種「真獣類」だった 兵庫で発見の化石
兵庫県篠山市にある白亜紀前期の地層「篠山層群」下部(約1億1千万年前)で平成20年に見つかった国内最古級の哺乳類の化石は、新しいグループに属する新種の「真獣類」だったことが、兵庫県立人と自然の博物館と愛媛大などの分析で分かった。恐竜時代を生き抜いた初期の哺乳類の進化を探る上で貴重な資料であることが改めて裏付けられた。高知市で28日から開かれる日本古生物学会で発表する。
真獣類という呼び方にはなじみがないですね。もう少し記事から引用します。
現在の哺乳類は3つに大別され、最も高等な真獣類にはヒトやゾウ、イヌなど大半が属する。真獣類は中国で見つかった約1億2500万年前の化石が世界最古で、白亜紀前期の化石は非常に少なく、進化の過程はよく分かっていない。
上記記事を読みつつ、「
ウィキペディア」でざくっと確認。「3つに大別」とありますが、真獣類のほかには、カモノハシなどが含まれる原獣類(単孔類)と、有袋類が含まれる後獣類があるということですね。まあ、記事にある「最も高等」という表現はどうかと思いますが。
それから古さなのですが、見つかった当時、世界最古の哺乳類化石か、とも言われていましたが、その後の研究で「
篠山層群の年代は1億1千万年前?」ということが分かったのでしたね。そうなると、国内では、今回の研究もされた楠橋直さんが2008年に発表された下記の方がどうも古いということになります。
国内最古級の原始哺乳類 「白山・手取の英雄」と命名 桑島壁から新種化石2種
白山市教委は二日、同市桑島の「桑島化石壁(かべ)」で産出した日本最古級の哺乳(ほにゅう)類の化石二種が、中生代白亜紀前期(約一億三千万年前)の原始的哺乳類の一種である多丘(たきゅう)歯類(しるい)の新属新種と分かったと発表した。ネズミに近い姿とみられる多丘歯類の新種発見は国内では初めて。市教委は「哺乳類の進化の過程を知る上で重要な資料」としている。
ただ、いずれにせよ、この哺乳類化石が貴重なものであるには違いないのですが。