日経ナショナルジオグラフィック社より、書籍『恐竜再生 ニワトリの卵に眠る、進化を巻き戻す』が発売されました。エボデボ(発生進化生物学)に基づいて恐竜の再生を論じているのが特徴です。
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書籍紹介から引用しておきましょう。
化石に眠る古代のDNAを集めて恐竜を再生するという『ジュラシック・パーク』の物語は、世界中の人々を興奮させた。それから10年以上たった現在、映画『ジュラシック・パーク』の監修を務めた恐竜学者ジャック・ホーナーは、分子生物学や発生学の研究者仲間とともに、最先端の研究に基づいて本物の恐竜を作ろうとしている――しかし、この恐竜再生プロジェクトで使うのは、恐竜のDNAでなく、ニワトリの卵だ。
『ジュラシック・パーク』で語られた方法よりもはるかに簡単だと彼が主張するその理論とは、恐竜(獣脚類)の子孫であるニワトリの卵を基に、発生過程をコントロールして尾を生やし、翼を前脚に変え、歯を生やして、恐竜のようなものをつくることができる、というものだ。
革命的な研究分野といわれるエボデボに基づいて“進化を巻き戻す”方法を論じた注目すべき一冊。
エボデボというのは、まだあまり一般には知られていない言葉だと思いますが、遺伝子変異を中心にとらえる従来の進化論とは、ずいぶん違った風景を見せてくれる考え方です。
簡単に言えば、生命は遺伝子に設計図がすべて書き込まれているのではなく、発生過程での遺伝子と環境の相互作用から決定づけられる、とする考え方ですね。
遺伝子にすべてが書き込まれているとすれば、恐竜の遺伝子はすでに失われていますから、それを手に入れない限り、恐竜の再生は夢物語です。ニワトリの卵から恐竜を再生することもできません。でも、エボデボの視点から見れば、ニワトリ卵にあるのはもっと広い発生のための共通基盤のようなものにすぎない。その後の発生過程には、環境要因も影響するのだから、ニワトリの卵でも、環境に対して適切なコントロールをすれば、恐竜に似たものが発生するはずと。そういうわけです。
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