高校生がバンバン化石を発掘してる「神戸層群」って?

神戸新聞で、神戸市の高校生が「神戸層群」から次々と化石を発掘しているということが記事に取り上げられていました。 高校生たちが作業を行っているのは、神戸市北区の国営明石海峡公園神戸地区「あいな里山公園」。 大都市近郊でも気軽に里山と触れ合えるということをコンセプトに運営されている公園だそうです。 さて、「神戸層群」とは、どのような地層群なのかご存知でしょうか。   神戸層群は、新生代古第三紀の地層で、 神戸地域、三田盆地、淡路島北部に分かれて分布しています。 植物化石が多く産出することで知られているのだそうで、 前述の高校生たちも、バラ科の植物、トクサの茎、くぬぎの葉などを発掘し、 その数は200点以上にも上るのだそうです。 神戸地域と三田盆地に分布する神戸層群は、それぞれに3つに分類され、 主に陸成層からなっているのだとか。   神戸層群が堆積したのは、植物や貝の化石から、当初新第三紀中新世だと考えられていました。 中新世と言えば、約1500万年前ですね。 ですがのちに、凝灰岩の年代を測定したり、一部ある岩屋層の化石や、 ほ乳類の化石にのって、大幅にさかのぼる始新世中期末ごろに堆積した地層だと、 現在は考えられるようになりました。   ほ乳類の化石は、どのようなものが発掘されているのでしょう。 神戸市北区の地層からは、ザイサンアミノドンという、原始的なサイの歯や骨の化石、 三田市あたりからはサンダタンジュウという、カバの遠い親戚にあたる種族、 ヒラキウスと呼ばれる原始的な小型のサイの歯や顎の化石、 大型の哺乳類の足跡とみられる化石も発見されているのだとか。 このほ乳類の化石は、約3,800万年前の地層から発見されています。 このような、複数のほ乳類化石が見つかっている古第三紀の地層は、日本でも神戸軍曹を含む5つの地層に限られているので、 非常に貴重な資源ですね。 その中でも神戸層群には、他の4つの地層にはない、年代測定に適した火山灰の地層もあります。 ザイサンアミノドンの生態復元像は、兵庫県三田市の「人と自然の博物館」にも展示してあります。 これからどんな古代生物の化石が見つかるのか、高校生の活躍にも期待が高まりますね。