オーストラリアで、これまで肉食恐竜のものと考えられてきた足跡が、研究の結果、草食恐竜のものとされました。南半球に巨大肉食恐竜がいた証拠が、またひとつ否定されたことになります。
以前このサイトでも、「
その足跡、ティラノサウルスじゃないです」としてお伝えしましたが、研究論文が発表されています。
Australia’s biggest carnivorous dinosaur forced to take a walk
Doubt has been cast over the only known piece of evidence that large carnivorous dinosaurs once roamed Australia, following new research by The University of Queensland (UQ).
論文は下記です。
A reassessment of large theropod dinosaur tracks from the mid-Cretaceous (late Albian–Cenomanian) Winton Formation of Lark Quarry, central-western Queensland, Australia: A case for mistaken identity
議論の的になったのは、
Lark Quarry Conservation Parkに残っていた、三本指の足跡。これが、草食恐竜のものとわかったと。
この大学では、この8月にも、下記の発表をしていました。
Tyrannosaurs sent back to the Northern Hemisphere
In a study published online today in Science, the team argues that a pair of pelvic bones discovered at Dinosaur Cove, southern Victoria, over 20 years ago, does not belong to a tyrannosaur.
この春に「
“南の暴君”、T・レックスの祖先種か」として、南半球ではじめての巨大肉食恐竜の証拠が見つかったと話題になったのですが、そうではないとわかったというわけですね。
そんなわけで、冒頭の文章にあるように、どうやらこれまでのところ、オーストラリアに巨大肉食恐竜がいたという証拠は、すべて否定されたということになります。当時の地球は、おおむね、北半球がローラシア大陸、南半球にゴンドワナ大陸とわかれていたわけですが、現時点では、南半球に巨大肉食恐竜がいた証拠はない。
とはいえ、生態系としてそれで成り立つのでしょうか。今後、新たな発見があるかもしれず、興味はつきません。