新卵属・新卵種の恐竜卵殻化石、「ニッポノウーリサス・ラモーサス」


みなさん、ご存じのとおり、篠山層群での新たな発見は、テレビや新聞報道で大きく取り上げられました。

日本初の恐竜の卵殻化石「ニッポノウーリサス・ラモーサス」の発見です。この化石は既に丹波竜の第4次発掘時にはその存在は確認されていました。平成26年の1月に三田市の兵庫県立人と自然の博物館で日本古生物学会が開催され、ひとはく三枝主任研究員・池田研究員と今回の共同研究者であるカナダカルガリー大学大学院の田中康平さんとの出会いが今回の論文発表につながったようです。同学会において、ひとはく池田研究員からカルガリー大学で恐竜の卵殻化石の研究をしていた田中さんに研究協力の依頼を行い、その後の研究で新卵属・新卵種の化石の存在が明らかになったようです。

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日本では、過去に5例の卵殻化石に関する論文発表がありましたが、明確に恐竜(獣脚類)卵殻化石としての発表は、日本初だそうです。篠山層群での学名決定は、平成25年3月のササヤマミロス・カワイイ(哺乳類)、平成26年8月のタンバティタニス・アミキティアエ(竜脚類)、平成27年1月のパキゲニス・アダチイ(爬虫類)に引き続き、4件目となります。発見された化石の状態や種類が多岐に渡っていることからも篠山層群の学術的な意義を感じることができますね。

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ニッポノウーリサス・ラモーサス

発見された化石は約90枚でそのうちの70枚が5種類に分類されました。卵の殻だけでは親の種を判断することができず、副分析法(卵の大きさ・形状、殻の厚み・微細構造)で調査した結果、内、1種類の卵殻化石(8枚)は、卵の表面の模様や層・内部面の形状などにより新卵属・新卵種と認められ、今回の発表となりました。

新卵属・新卵種の獣脚類恐竜の卵殻は、(学名)ニッポノウーリサス・ラモーサス(Nipponoolithus ramosus oogen. et oosp. nov.)と命名されした。

学名の語源は、Nipponは「日本」、Oolithusは「卵の石」という意味のギリシャ語、Ramosusはラテン語で「枝分かれした」の意味で、卵殻外表面の特徴的な装飾模様に由来しているようです。

新たな化石の特徴は、

・卵殻外表面には特徴的な枝状の装飾模様が見られる。

・卵殻は2層構造をしており,アジアや北米で発見される獣脚類恐竜の卵殻とよく似ている。

・殻の厚みは0.44 mm程で推定される卵の重さは100 g程。(ニワトリの卵より1~2回り大きい。)

・小型のマニラプトル類(体重15 kg程)の卵殻と考えられる。

というものです。

 

この化石以外にも4種類の卵殻化石が発見されており、1種類の鳥脚類恐竜と3種類の獣脚類恐竜(鳥類を含む。)の卵の殻であると推測されています。

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当時の篠山層群(山南町上滝)は、丹波竜をはじめ、計6種類の恐竜化石(丹波竜以外は歯の化石)が発見されていて、今回の5種類の卵殻の親は卵の大きさからこれらの6種類とは異なった小型恐竜と推測されており、篠山層群(山南町上滝)は多種類の恐竜が生息する「恐竜の営巣地」であったと想像されています。

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上滝から発掘された篠山層群の泥岩はクリーニングの終わっていないものがあり、今後の研究により太古の世界がより解明されることが期待されています。

兵庫県立人と自然の博物館(三田市)では、 7月21日(火)から8月31日(月)まで今回の記載論文の出版にあわせた臨時展示が開催されます。ぜひ、会場に足を運び、実際に卵の化石をご覧いただき、太古の世界を想像してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

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