小型恐竜の脛骨発見

鳥盤類の化石
鳥盤類に属する恐竜の右脛骨の化石
県立人と自然の博物館は27日、県立丹波並木道中央公園(篠山市西古佐)内の白亜紀前期の地層「篠山層群」の下部層(約1億1000万年前)から、小型の鳥盤類に属する恐竜の右脛骨(右脚のすねの骨)の化石2本などが見つかったと発表した。 [caption id="attachment_4202" align="alignnone" width="192" caption="鳥盤類に属する恐竜の右脛骨の化石"]鳥盤類の化石[/caption] 先月下旬から実施した地質調査の中で発見。同公園ではこれまでにも、保存状態の良い2種類の恐竜化石が見つかっており、同博物館の三枝春生・主任研究員は、「この一帯には多数の恐竜化石を含んだ、国内でも非常にまれな地層が存在する可能性が高い」と話している。 発見された脛骨化石の保存状態は良好で、2本は同一種、別個体のものという。2本の内の1本は、ほぼ完全な形をとどめており、長さ約11㌢、関節部分の最大幅が約2・5㌢、骨の中央付近の直径は約1㌢。もう1本は関節部から約5・5㌢のところで欠損しているが、ほぼ同じ大きさと見られる。恐竜の体長はそれぞれ約1㍍と推定している。 恐竜は、鳥盤類と竜盤類の2つに大別される。鳥盤類には、イグアノドンやトリケラトプスなどがあげられるが、今回発見した化石から、これらの種を特定するのは今後の課題という。 発見場所は、同公園管理棟から南西の法面直下の台地。同公園の造成工事の残土(岩塊)を埋め戻して整地した場所で、この場所に転がる岩塊の中から発見した。このほかにもトカゲ類の上腕骨化石1個も見つかった。 地質調査の一環で、同公園内2カ所でボーリング調査を実施。そのうちの1カ所、公園管理棟東側で、深さ46㍍地点、直径5㌢のボーリングコアの中から、 長さ約4㌢、厚みが約6㍉の三日月形をした動物の骨の化石が見つかった。「篠山層群恐竜化石発掘調査検証委員会」の委員で、カメ研究の第一人者でもある平山廉・早稲田大学教授によると、カメの甲羅の一部ではないかという。 [caption id="attachment_4203" align="alignnone" width="187" caption="地下46㍍地点のボーリングコアの中から見つかったカメの甲羅とみられる化石"]カメの甲羅[/caption] また、地面に降り注いだ雨粒痕の化石「雨滴痕」も同公園内で見つかっていることから、体重の軽い恐竜や小動物の足跡化石の発見も期待できるとしている。 三枝主任研究員は、「今後さらに数多く化石が出てくれば、それらを見比べることにより、雌雄の違いや群れの形態、成長過程などを解明する大きな手掛かりとなる」と話している。 今回見つかった鳥盤類化石は、2012年9月8日から10月21日、同博物館で展示される。

丹波新聞より)