ティラノサウルスは掃除屋だったか

ニュースウォッチ>発見・研究 2011年 1月 26日by 小橋 昭彦コメント:0

ティラノサウルスが、スカベンジャー(屍肉の掃除屋)だったのかハンターだったのかという議論があります。この問題に関して、生態系の観点からの議論を紹介する記事を紹介します。

Legendary Dinosaur King Didn’t Survive on Fast Food

According to the latest installment in the ongoing saga over the king of dinosaurs’ dietary habits, Tyrannosaurus rex was not simply an oversize scavenger. By the time T. rex was lucky enough to find a carcass, smaller animals would have stripped it to the bone first, claims a new study of the giant dino’s fierce competition for rotting flesh.

この問題については、さまざまなアプローチがあります。たとえばひとつは、ティラノサウルスの骨格そのものから考えるアプローチ。小さな前脚は狩りにむかないのではないかとか、強靭なあごの力はまさに狩りのためだとか、そういう見方ですね。その延長に、CTスキャンで脳容量を推測し、嗅覚がするどいことがわかったため、たとえばそれは死体を嗅ぎ分けるのに適していたとか、そうした議論があります。

一方、ティラノサウルスが生きていた環境から検討するアプローチがあります。今回の議論は、そのなかで、アフリカのセレンゲティ国立公園の動物たちの比率を参考に、ティラノサウルスがどのくらいの確立で死体をあされたか、考えるものです。

Assuming T. rex could cover about one square mile of territory every day, it would find a 25-ton sauropod carcass once every 5 years, a triceratops-sized carcass once a year and a horse-sized carcass once every 2 months. Even an adult-human–sized carcass would be found only every 6 days to stumble across.

要点をかいつまめば、ティラノサウルスの他に、小型の肉食恐竜がたくさんいるわけで、死体があったとしても、それらの肉食恐竜が先に荒らしただろうと。従って、ティラノサウルスが屍肉だけで暮らすのは難しかったのではないかというわけです。

もっとも、そもそも小型肉食恐竜とティラノサウルスの比率に間違いがあるのではないかという指摘も紹介されており、この議論、今後もまだまだ熱くなりそうです。

論文は下記です。

Intra-guild competition and its implications for one of the biggest terrestrial predators, Tyrannosaurus rex

結論はどうなるにせよ、「ティラノサウルスは屍肉食らいだったか」という疑問をもとに、新しいアプローチが提案されながら続く議論、おもしろいですね。あなたなら、どんなアプローチからこの問題に迫りますか?

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