発見・発掘の経緯

[caption id="attachment_281" align="alignnone" width="550" caption="兵庫県立人と自然の博物館より"]化石研究風景[/caption] 篠山層群から恐竜の化石が発見されたと発表されたのは2007年1月のこと。その後、篠山市側でほ乳類化石が発見され、さらには恐竜化石も発見、篠山層群が有数の化石を含んだ地層ではという期待が高まっています。

目覚めた太古のいきものたち

2006年(平成18年)8月7日、兵庫県丹波市在住の足立洌さん、村上茂さんが丹波市山南町上滝の篠山層群の地層から灰色褐色の突起物(のちに丹波竜の助骨の切片2本と推定)を発見しました。翌々日の8月9日、2人は三田市の兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)に向かい、主任研究員である三枝春生先生(古脊椎動物学)にその灰色褐色の突起物の鑑定を依頼したところ、恐竜の化石であることがわかりました。 ひとはくを中心に2006年(平成18年)9月27日~29日の3日間、発見現場で試掘が行われ、数10点の化石が採取されました。その中には草食恐竜ティタノサウルス類(後につけられた愛称:丹波竜のこと)の化石と獣脚類の歯と推定されるものも見られました。 2007年(平成19年)1月3日、ひとはくは記者発表を行い、そこで草食恐竜(丹波竜)の助骨部分などの化石10数点と肉食恐竜の折れた歯3点が見つかったと正式に発表しました。

発掘調査はじまる

これを受け、丹波市山南町上滝での発掘調査は2007年より行われています。
  • 第1次発掘調査(2007年1月~3月)
  • 第2次発掘調査(2007年11月~2008年3月)
  • 第3次発掘調査(2009年1月~3月)
  • 第4次発掘調査(2010年1月~3月)
これら発掘調査の詳細な情報は「人と自然の博物館」及び、「丹波竜.com」で紹介されています。 化石が発見された場所は篠山川の河床です。川は山間を縫うように険しい岸壁の間を流れており、春~秋は増水する恐れが高く、安全のために冬に発掘調査が行われています。 発掘調査はひとはくの研究員を中心に発掘ボランティアの方々、重機を動かす業者の方々で作業が進められています。発掘現場では削岩機等で篠山層群の岩盤を取り出します。重機で掘り出す作業はまるで何か工事をしているようです。その後、プラスタージャケット(岩盤の周りを石工で固めたもの)でその岩盤を保護します。その岩盤を砕き、化石らしきものがないかを確認し、あればそれを丁寧にクリーニングする作業が行われます。化石はとても小さいものもあり、集中力のいる地道で根気がいる作業です。

角竜あらわれる

2008年6月、草食恐竜ティタノサウルス類(丹波竜)の発掘調査、研究が進められる中、お隣の篠山市から国内最古級の哺乳類の化石が発見されたことをひとはくが発表しました。発見者は丹波竜の発見者でもある足立洌さんです。この哺乳類の化石は篠山層群の時代では発見例が極めて少ないことから非常に貴重なものとして、世界からも注目されています。 さらに発見は続きます。2009年11月、篠山市宮田の篠山層群から角竜類の化石が発見されたと発表がありました。角竜類の化石が発見されたのは国内では初めてです。